今回もデジモンについて考察していきたいと思う。考察対象は先回紹介した初代デジモンシリーズから進化して誕生した後継機「デジモンペンデュラム」シリーズ。その中からデジモンペンデュラムについて取り上げる。
デジモンペンデュラムとそのパッケージ。
初代デジモンのブリスタータイプから箱型のパッケージに変更されている。
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まずはデジモンペンデュラムの簡単な説明から。デジモンペンデュラムは初代デジモンからバトル、育成、モンスターの進化を発展させ遊びの幅を広げたもので、ゲーム機本体のデザインも前作とは違ったものに変更をされている。
デジモンペンデュラム(ver.2 ディープセイバーズ) 主に水棲系モンスターが登場するので画面の背景は深海、 ボディの色もそれに合わせてダークブルーとなっている。 |
一見すると初代デジモンから少しデザインを変えたように見えるが様々な場所を観察していきたい。まずは全体の形、レンガのデザインはなくなり長方形だった初代デジモンに対してペンデュラムは四隅の角が取り払われ、八角形(?)の形に変更されている。このことについては後で詳しく触れていきたいので次は画面の方に移ろう。画面の枠のデザインも前作の穴付きの古風な檻の枠から少しオシャレな鉄格子の窓風なものとなっている。ボタン周りもボタンを押しやすくするためなのだろうか、前作にはなかった凹みが彫られている。こうしてみると古風で無骨なイメージの初代デジモンから洗練されスタイリッシュなデザインになったように感じられる。画面背景のデザインも登場するモンスター毎に合わせられていて例えば水棲系のモンスターを育成できる機種では深海の背景。ロボットやサイボーグの出る機種では工場、他にも天空や天界をイメージしたものなどモンスターのバリエーションとともに背景の種類も増えている。個人的に自然界を飛び越えたものになってしまったのは少し残念である。ちなみにキーチェーンの方は今までと同じ鎖型チェーンとフックのタイプが採用されている。
下の列の左から初代デジモン、デジモンペンデュラム。 その他については割愛。 |
それではゲーム機デザインの形について考察していきたい。何故八角形になったのか、ただ洗練するためにそうしたのだろうか、そうではない。ゲームの内容の結果、この形になったのだ。簡潔に説明するとこのデジモンペンデュラムにはその名の通り「ペンデュラム=振り子」が搭載されているのだ。この振り子、すなわちゲーム機本体を戦闘中に振ることによって敵に与えられるダメージが変動するというシステムがある。その振り方は大体は手で握ったり、掴むようにして思いっきり上下または左右に振る感じだ。
詳しくはCMを参照
初代デジモンのように角張った形で振るのは手に負担が掛かってしまう。そのために角を取り払い掴みやすい形にしたのではないのだろうかと考えている。角を取り払ったデザインならたまごっちのように楕円形の形にすれば良いじゃないかと思うだろうが、それでは逆に手から勢いよく吹っ飛びそうでもあり、初代デジモンの後継機としてのイメージを持たせるためにも基本の形を引き継いだ上でこの形にしたのだろう。こうしてみるとこの全体の形はゲームの設定が出来てからデザインされたのではないかと推察できる。
初代デジモンはモンスターを育てるための道具をイメージしたものとして、檻をデザインされたものとなった。ペンデュラムは振ることを考慮して前作からそれに適応したデザインと変化した。つまりデザインはテーマ、内容を決めてから作られていくものである。当たり前のことであるがデザイン物を観察することによって、形、色、機能がどうして決まったのか、そのテーマや内容について推察することができる。私は今回デジモンペンデュラムからどうしてこのような形になったかを導き出した。デザイン物にはほぼ必ず意味が存在すると思う。読み取ることもできれば与えることもできる。浅く見えて実は物凄く深いのものであるのだろう。
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