2015年8月28日金曜日

ブ・ド・ウ

 前回で取り上げた仮面ライダー鎧武のポスターにはフルーツがデザインされていた。それで思い出したのがこれ。


明治の「果汁グミ」だ。水々しいフルーツをパッケージの飾っているとこれを連想させた。モチーフや原材料、味をイメージしたものをパッケージやポスターに使うのは何度も話したが今回は果汁グミのパッケージに水々しく見えるブドウをなぜ使うのか、ということを考えていきたい。

フルーツの味をしたものにはフルーツでデザインするということは当たり前だ。しかし普段見かけるフルーツ、売られたりしているものはパッケージの画像のように濡れていたり水滴はついてなどいない。なぜこのようなデザインにしたのだろうか。濡れているということから考えられるのが洗う、冷やすなど水に関わることだ。物によるがブドウだと食べる前に冷やしていたり水で洗ったりと冷たく、表面が濡れた状態で食べる。このことから食べる直前のブドウをイメージしてデザインされたんだろうと考えた。

だがこのパッケージのブドウは気に繋がったままの状態だ。これでは食べる時のブドウではない。そうなると摘みたて、採れたてのブドウを意識した物なのだろうか。フルーツという物はジューシーな方が美味しそうに見える。ということから濡れたブドウにしたのだろうか。


明治の他のグミのブドウ味にも水々しいブドウがデザインされている。

 
 正直どうまとめればいいかわからないがフルーツを使用したデザインは濡れている、水滴が付いている方が新鮮味があり冷たく美味しそうに見えるということだろうという結論で今回は締めたい。

2015年8月26日水曜日

カイガーン・オレ?

 時が過ぎるのはあっという間だ。今は8月の下旬かつあと数日で9月だ。9月もまたすぐに終わるだろう。その次は10月、10月といえば新しい仮面ライダーシリーズが始まる時期だ。10月に近づくと宣伝のために随所にポスターが貼られるだろう。仮面ライダーの放送告知ポスターはほとんど見かけたことはないが、見たことがあるので強烈なインパクトを残したものがある。

 それがこちら。


二年前に放送した。「仮面ライダー鎧武」のポスターだ。



これは実際に駅で見かけたものである。二種類あり隣同士で貼られていた。そのビジュアルはかなり異質だ。一番に目を引くのはメインの仮面ライダーの背景に飾られたフルーツだろう。これは仮面ライダー鎧武に登場するライダー達はフルーツをモチーフとした鎧、武器を装備して戦うのでそれを一目でわかってもらうためのものと見える。水々しいい果汁、水滴のエフェクトがあるせいか美味しそうに見える。が、仮面ライダーに詳しくないものだと一目見ても何のポスターかわからないであろう。それも相まって見る人に「なんだこれ?」と思わせるデザイナーの意図と捉えている。白い背景にフルーツ、前面にライダーが配置されているデザインだがまとまっていてなんと言えばいいのだろうかフレッシュな感じがする。

次に目を引くのがキャッチコピーだ。一枚目は「キミはどのフルーツが好き?」、二枚目は「オレ、オレンジ?」。初めて見たときにこの二枚が隣同士のあったためか続き物の広告だと思っていたので、「好きなフルーツを聞いておいてそっちも疑問系で返すのか」と面白おかしく感じていた。が、今思うとこれはそれぞれ独立したポスターだろう。一枚目のキャッチコピーは四つのフルーツ、四人のライダーが配置されていて「キミはどのフルーツ(ライダー)が好き?」という意味を込めたポスター。二枚目が主人公である仮面ライダー鎧武のみのバージョンであり、「オレ、オレンジ?」というのは主人公自身からも「なんだこれ!?」驚いているという意味を込めたメッセージであると捉えている。

鎧武の一話を見ると主人公が変身の際にオレンジをモチーフとした装備を着用した時に驚愕するシーンがあるのでおそらくそれを表しているのだろう。「今度のライダーはこの俺!って俺はオレンジのライダー!?」とこういったところだろうか。


 これから始まるライダーや過去作のポスターも気になるのでまたいつか取り上げたい。

2015年8月25日火曜日

ツンピリde辛ヒ〜

 「わさビーフ」のパッケージ。


このポテトチップスの要であるわさびをイメージして緑をメインとしたカラーリングになっている。パッケージに書かれているわさびという文字そして緑色、この二つが一緒にいることによってこの商品の味の連想ができるようになっているのだろう。

 「カラムーチョ」のパッケージ。


これも商品のイメージと味を表現するために唐辛子の赤を使っている。わさビーフよりも赤の度合いが、というより背景全てが赤で塗りつぶされているのでとても辛そうなイメージが湧いてくる。

 このように商品、食べ物のパッケージにはその材料もしくは味に関する色を使うことによって消費者に商品の味のイメージを訴えかけることができる。



 ちなみにわさビーフのバリエーションを見ると、わさび抜き「わさビーフ」(もはやビーフではないのか)はわさびを使用していないためメインカラーが茶色(焼肉やステーキ?)となっている。また梅のフレーバーのわさビーフは梅をイメージとしたピンクのカラーリングで仕上がっている。

2015年8月14日金曜日

バーリバリ君

 今回は「ガリガリ君」のガリガリ君を見ていこう。


1981年に発売されていこう徐々に今現在のガリガリ君の姿に変わりつつある。1981年と今現在のを比べると面影はあれど別人レベルなデザインだ。



昔のガリガリ君は口を閉じているというところも今と違う大きなポイントだが、一番目を引くのがガリガリ君の頭身だ。今のガリガリ君より年齢が高く見えるし凶暴そうにも見える。例えるなら今がガキ大将で昔が番長、といった雰囲気がある。調べたところ2000年代に入ってから今のデザインにリニューアルしたということらしい。これによって販売会社が販促を円滑に行うためにガリガリ君をビジネスにした子会社も設立した。これによりキャラクターをお菓子だけではなく様々なグッズにしたりコラボをしたりしてビジネスの幅を広げている。

 商品のマスコットキャラクターはその商品のアピールだけではなくその向こう側にある展開に向かって飛躍していくことも視野に入れてデザインした方がいいということだろうか?

2015年8月13日木曜日

うまい棒ナリ

 お菓子の「うまい棒」

筆者はコンポタ味が好き。

のパッケージのメインにいるキャラクター。


日本で最も認知度が高いお菓子のマスコットキャラかもしれない。そしてあのキャラに似ているとも言われている。そう、ドラえもんだ。


うまい棒のキャラには名前がなく、呼称のひとつとしてうまえもんというのがある。二頭身、顔のタッチ、目元から顔面の下を囲んでいる模様?らしきものなど共通する点がありパクリであるとしかいいようがない。

 うまい棒の販売開始が1978年、これはドラえもんの連載開始よりも遥かに後である。ドラもんのアニメ(日本テレビ版)は1973年スタートなのでやはりうまい棒販売よりも前の出来事になる。二度目のテレビアニメ化(テレビ朝日版)は1979年にスタートなのでその頃にはうまい棒が一般に流通していたので関係はないだろう。

 何故ドラえもんを意識した(パクった?)デザインにしたのだろうか。やはり国民的人気キャラクターであり、その頃にはアニメも放送が放送も終わっていて世間に通じるキャラだから真似たのだろうか。と考えてしまうのだが、ドラえもんの最初のアニメは諸事情により半年で終了した打ち切り作品なのだ。漫画が人気でも視聴率はあまり高くなかったそうな。半年のアニメ作品のキャラを起用するのは割に合わないと思う。(今の人気が築き上げられたのは二度目のアニメ化以降の活躍であろう。)そこで考えられるキャラデザの理由はデザイナー本人もしくは関係者にドラえもんの漫画が好きな人がいる、子供に人気があるキャラクターを調べて起用した、この二つではないだろうか。

 パクリを前提にして話をしているがうまい棒の販売元のやおきんはメディアによる「ドラえもんに似てますよね?」という質問に対して答えを濁しているのでパクリで間違いないだろう。特にドラえもんの作者側、出版社との問題はないようなのでスルーされているパクリと見ていいのだろうか。今世間ではデザイナー佐野研二郎のパクリ疑惑問題で騒動になっているが、こちらは可愛く済まされているようで変な感じがする。

筆者的にはドラえもんよりキテレツ大百科の
コロ助に似ていると思う。漫画の方はやはり
うまい棒発売より前に開始している。


2015年8月12日水曜日

ふあんてな(不安定な)ショップツアー

 駅構内でこんなポスターを見た。



都内にあるアンテナショップのクーポンキャンペーン告知のポスターだ。最初に見たときに都内なのに他の県の名物のイラストと県名が書かれていて、何を表しているんだ?と思ったのだが右上の概要を見て内容は把握はできた。このポスターものすごく大雑把に都内を表していてなおかつ大雑把にそこにあるであろうアンテナショップをポイントしている。詳しいことはウェブで調べろということなのだろうが、あまりに適当、いや不親切に感じる。大雑把にするにしてもそのアンテナショップ近隣の駅名や地名などを記しておいたほうがいいのではないかと思う。せっかく「電車で行こう!〜(略)」というタイトルなのに駅名を出さないのは本末転倒だとも思う。

 せっかく地図上にしたのにそれを生かしきれていない、もっと付け加えるべきものがあるのではないかと今回感じた。今後ポスターを作るにあたって必要になるものをどれほどまで付け足していくかいうことを意識していきたいと思う。

2015年8月8日土曜日

日本のナンダー?

 自販機でこれを見かけた。チェリオの「日本のサイダー」。

味は普通のサイダー。

何度も見ているものなのだが、こうした何気ないデザインに気をつけるになってきた気がする。何を持って日本のサイダーなのか?このデザインはまさか…、など気になる点が幾つかあるので見ていこう。

まずはデザイン、この風景画が何かと被る。そう、葛飾北斎の富嶽三十六景だ。


富嶽三十六景は海外でも有名で、これが元で国内、世界から見た日本といえば富士山というイメージがあるとも言える。だからこそ「日本」のサイダーの「日本」のイメージに対して富嶽三十六景っぽいデザインにしたのだろう。これはパクリというのかなんというのか…インスパイアとでも言っておこう。

次に気になったのが商品名。何故「日本」なのか。サイダーについて軽く調べてみると国によってサイダーには色々種類がありアルコール類のものもあれば炭酸がないものなど普段我々が飲んでいる「サイダー」とは全く別物の「サイダー」だ。透明無色で炭酸があるサイダーは「日本」だけである。だからこその「日本」の「サイダー」なのだろう。三ツ矢サイダーのような大手に対して日本のサイダーというネーミングはいささか大きく出ている気がするが「日本」のということなら間違ってはいないだろう。

2015年8月7日金曜日

アノコとはなわ

 今回はスナック菓子「ポテコ」と「なげわ」のパッケージを見ていきたい。


筆者はこっちの方が好き。

このお菓子は両者ともリング状の形をしているのが一番のポイントだ。その形をアピールするために指にお菓子がはまっているというコンセプトになっている。ポテコのお菓子の形は穴が狭いため指の先に一個だけはまっている程度だ。一方なげわの方は穴が広く幅が狭いためか三個も指に通っている。これは本物の投げ輪を見立てているのだろう。
 
 次に両者の手と指の形の違いを見よう。ポテコはお菓子が深く指に入らないことを意識してか指が太めだ。ポーズはアロハみたいなのになっているが、これはただの指差しポーズのなげわとの違いを表すためだろうか。なげわのほうはポーズが先程言ったものだが指の太さがポテコと比べてスマートになっている。これもお菓子の特徴をアピールするための策なのだろう。

 背景の色はポテコが白、なげわがオレンジ(画像だと分かりづらいが)となっている。これはそれぞれの味、塩とコンソメのイメージに合う色で決めたということだろう。味の種類を記したロゴも塩だと海と波、コンソメは野菜スープ入りの鍋となってるなど味の表記にも力を入れていることがうかがえる。

 キャッチコピーは両者ともほぼ一緒だが、形が違うためか食感を表すオノマトペの部分が違っている。

 最後に両者とも右下に原材料であるジャガイモの画像がプリントされている。形、味、食感、そして原材料とポテコとなげわにの要素が全て詰まったてんこもりなパッケージだ。個人的にはポテトチップスほど芋を食べているという感じはしないのでここまで載せなくてもいいのではないかと思う。しかしポテトからこんな形のお菓子になるんだぞというアピールをしたいというのが会社側にあるのならばこれが正解なのかもしれない。

 

2015年8月5日水曜日

ほんもののニテマス というおはなし

 今回は本物の「きかんしゃトーマス」を見ていこう。まずはイギリスのトーマスから。

イギリスの保存鉄道で走っているトーマス。
比較用に模型のトーマス。
実写の方が幅広く見えるように感じるがこれは間違いなく本物のトーマスだ!ライトがなかったり汽笛に形が違ったりしているが概ね特徴は一致している。さすが本場といったところだろうか。残念ながらこの車両のモデルはわからなかった。

 続いて日本のトーマス。

大井川鉄道で走っているトーマス。


これは確かにトーマスにも見えなくはないが…イギリスとはぜんぜん違う。これはモデルであるC11の形が強すぎるからであろう。


トーマスの特徴はある程度取り入れてはいるが、無ければいけない機関だろうかドームやパイプなどはそのままとなっている。またイギリスや模型は六輪だったのに対して日本のは補助輪が付いた十二輪となっている、メインの車輪は三輪なのでごまかしは効くがピストン棒の形も違っているのでやはり似ているとは言いづらい。日本の場合はトーマスに近づけた日本の蒸気機関車といったコンセプトなのだろうか。イギリスほど再現度は高くはないがC11の魅力とでも言うのだろうか、向こうより力強そうなイメージがある。

 余談だ日本のトーマスは機関車だけではなく客車もある程度再現している。



トーマスはアニーとクララベルという二両の客車を引いている。その客車のカラーリングを施して再現しているのだ。形、編成の量などは違うがこだわっているというのが伝わって来る。

 イギリスも日本もどちらも乗ってみたい!まずは大井川鉄道のトーマスに会いに行くのが早いだろうか。予約数が殺到しているとかなんとか…。